数学のブログ

整数 1次合同式 Bachetの定理の証明、除法の定理、Euclidの互除法、互いに素、整数解、必要十分条件、帰納法、1次不定方程式

親切な代数学演習 新装2版―整数・群・環・体 (加藤 明史(著)、現代数学社)の第Ⅰ部(整数)、第4章(1次合同式)の問1の解答を求めてみる。

a x + b y = 1

に整数解が存在するならば、左辺はaとbの最大公約数の倍数になる。

また右辺もaとbの最大公約数の倍数である。

よって、

( a , b ) | 1

ゆえに、

( a , b ) = 1

逆に、

( a , b ) = 1

とする。

a = 0

のとき、

( a , b ) = 1 ( 0 , b ) = 1 b = 1

よって、

y = 1

が解となる。

b = 0

のときも同様に考える。

a 0 b 0

の場合。

aとbの符号が正の場合を考えれば十分。 この解の符号を変更すればよい。

a = b

のとき、

( a , b ) = 1

なので、

a = b = 1

よって、

x = 1 , y = 0

という解をもつ。

0 < a < b

の場合。

b = q a + r 0 r < a

を満たす整数

q , r

が存在する。

これについて、

( a , b ) = ( a , r ) = 1 a + r < a + b

で、

a x + r y = 1

ならば、

a x + ( b - q a ) y = 1 a ( x - q y ) + b y = 1

よって、 帰納法より、

a x + b y = 1

は整数解をもつ。

(証明終)