数学のブログ

固有値と2次形式 2次形式・エルミート形式 部分空間、和とスカラー倍、共通部分、零ベクトル、次元、不等式、等式

解析入門(中) (松坂和夫 数学入門シリーズ 5) (松坂 和夫 (著)、岩波書店)の第18章(固有値と2次形式)、18.2(2次形式・エルミート形式)、問題10の解答を求めてみる。

部分空間であることについて。

和について。

x と y を

V + W

の任意の元とする。

このときある

v 0 , v 1 V w 0 , w 1 W

が存在して、

x = v 0 + w 0 y = v 1 + w 1

とおくことができる。

このとき、

x + y = ( v 0 + w 0 ) + ( v 1 + w 1 ) = ( v 0 + v 1 ) + ( w 0 + w 1 )

問題の仮定より V、W は

F n

の部分空間なので、

v 0 + v 1 V w 0 + w 1 W

よって、

x + y V + W

スカラー倍について。

c をFの任意の元とすると、

c x = c ( v 0 + w 0 ) = c v 0 + c w 0

であり、

c v 0 V c w 0 W

なので、

c x V + W

よって、

V + W

F n

の部分空間である。

Vの基底を

{ v 1 , , v s }

Wの基底を

{ w 1 , , w r }

とする。

このとき、

x = k = 1 s x k v k y = k = 1 r y k v k x + y = k = 1 s x k v k + k = 1 r y k v k

と表すことができる。

よって、

dim ( V + W ) s + r = dim V + dim V

また、

V W = { O }

ならば、

dim ( V + W ) = s + r = dim V + d i m W