数学のブログ

位相 閉集合、開集合、位相空間 整数全体の集合、数直線、数列、極限、境界、包含関係

トポロジー入門 (松本 幸夫(著)、岩波書店)の第2章(位相)、5(閉集合、開集合、位相空間)の演習問題5.1の解答を求めてみる。

( a n ) n ∈ ℕ

を整数からなる任意の数列とし、 bに収束するとする。

lim n → ∞ a n = b

このとき、 bが整数ではないと仮定する。

このとき、 c とdを

b - 1 < c < b < d < b + 1

を満たす整数が存在する。

また、 eを

0 < e < min { | b - c | , | d - b | }

を満たす実数とする。

このとき、仮定の

lim n → ∞ a n = b

より、 あるNが存在して、

n ≥ N

ならば、

| a n - b | < e

よって、

a n ∈ ℤ

となり矛盾。

ゆえに、 bは整数である。

よって、整数全体の集合は数直線

E 1

の閉集合である。

aを任意の整数とする。

このとき、 任意の正の実数

ε > 0

に 対して、

a ∈ N ε ( a , E 1 )

また、

0 < c < | a - ε |

を満たす実数が存在し、

| c - a | < ε

なので、

c ∈ N ε ( a , E 1 )

よって、

ℤ ⊂ ( ℤ ) ·

また、 aを整数ではない実数とすると、

a - 1 < b < a < c < a + 1

を満たす整数b、cが存在し、

0 < ε < min { | a - b | , | a - c | }

を満たす実数をとれば、 aの近傍

N ε ( a , E 1 )

には整数は含まれない。

よって、

( ℤ ) · ⊂ ℤ

ゆえに、

ℤ = ( ℤ ) ·

である。

（証明終）