数学のブログ

整数 素数 素因数分解定理、帰納法、一意性

親切な代数学演習 新装2版―整数・群・環・体 (加藤 明史(著)、現代数学社)の第Ⅰ部(整数)、第2章(素数)の問8の解答を求めてみる。

aを2以上の整数とする。

aが素数の場合は明らか。

aが合成数の場合、 ある2以上の 整数 b、cが存在して、

a = b c

が成り立つ。

このb、 cについて、

b < a c < a

よって、帰納的に、 aは素因数の積に分解できる。

aの素因数による分解を

a = i = 1 n p i = j = 1 m q j

とする。

p i , q i

は素数。

このとき、 任意の

p i

に対して、

p i | a

すなわち

p i | j = 1 m q j

よって、 あるkが存在して、

p i | q k
p i , q k

ともに素数なので、

p i = q k

よって、 素因数の順序を度外視して、一意的に分解される。