数学のブログ

行列式 行列式の他の性質 n次正方行列、実数、実連続関数、可逆行列、余因子行列、位相同型写像

解析入門(中) (松坂和夫 数学入門シリーズ 5) (松坂 和夫 (著)、岩波書店)の第16章(行列式)、16.2(行列式の他の性質)、問題9の解答を求めてみる。

行列式の定義より

det A = 0 S n ( s ( σ ) k = 1 n a k σ ( k ) )

なので 問題の写像

f : M n ( ) f ( A ) = det A

は実連続関数である。

a

問題の写像を上記のようにfとおく。

このとき、

f - 1 ( \ { 0 } ) = Ω

で、

\ { 0 }

は開集合である。

また、fは連続写像なので、 可逆行列全体の集合は開集合である。

(証明終)

b

任意の開集合

a d j A M n ( )

に対して、問題の写像とgとし、その送像

g - 1 ( a d j A )

も聞集合なので、 gは連続である。

(証明終)

c

A Ω A - 1 = 1 det A a d j A

で、 Aに

1 det A , a d j A

を対応させる写像は共に連続写像なので、その積、すなわち 逆行列と対応させる写像は全単射かつ
連続である。

よって、問題の写像

h : Ω Ω h ( A ) = A - 1

は位相同形写像である。

(証明終)