数学のブログ

行列 行列の演算 正方行列、対称行列と交代行列の和

手を動かしてまなぶ 線形代数 (藤岡 敦(著)、裳華房)の第1章(行列)、2(行列の演算)、基本問題の問2.7の解答を求めてみる。

1

A = A T

2

A T = - A

3

Aを正方行列、 対称行列X、 交代行列Yで

A = X + Y A T = ( X + Y ) T A T = X T + Y T A T = X - Y

を満たすものを求めてみる。

X = 1 2 ( A + A T ) Y = 1 2 ( A - A T )

また、

X T = 1 2 ( A + A T ) T = 1 2 ( A T + A ) = X Y T = 1 2 ( A T - A ) = - 1 2 ( A - A T ) = - Y

よって確かに Xは対称行列、Yは交代行列である。

ゆえに、任意の正方行列は対称行列と交代行列の和で一意的に表される。

(証明終)