数学のブログ

行列 行列の演算 べき零行列、可換、積

手を動かしてまなぶ 線形代数 (藤岡 敦(著)、裳華房)の第1章(行列)、2(行列の演算)、チャレンジ問題の問2.8の解答を求めてみる。

Bはべき零行列なので、ある自然数nが存在して、

B n

また、行列AとBは可換なので、

A B = B A
( A B ) 2 = ( A B ) ( A B ) = A A B B = A 2 B 2
( A B ) k = A B A k - 1 B k - 1 = A A k - 1 B B k - 1 = A k B k

よって、 帰納法により、 すべての自然数kに対して

( A B ) k = A k B k

ゆえに、

( A B ) n = A n B n = A n O = O

すなわち行列AとBの積ABはべき零行列である。