数学のブログ

線形写像 線形写像と行列 正方行列、可逆行列、階数、同次連立1次方程式、自明な解、基底、一次独立、全単射、可逆な線形変換

解析入門(中) (松坂和夫 数学入門シリーズ 5) (松坂 和夫 (著)、岩波書店)の第15章(線形写像)、15.1(線形写像と行列)、問題7の解答を求めてみる。

Aが可逆、 すなわち線形写像

L A : F n F n

が可逆な線形変換ならば、列ベクトル

{ a 1 , , a n }

F n

の基底をなす。

すなわち1次独立なので、

r a n k A = n

また、このとき、 同様に1次独立であることから、同次連立1次方程式

A x = O

は自明な解

x = O

しかもたない。

また、可逆な線形変換、すなわち全単射なので、任意の

b F n

に対して

A x = b

を満たす

x F n

が存在する。

同次連立1次方程式

A x = O

が自明な解しかもたないとき、

L A : F n F n

は単射、すなわち全単射 なので可逆な線形変換である。

よって、

r a n k A = n

任意の

F n

の元bに対して、

A x = b

を満たす

F n

の元x が存在するとき_

L A : F n F n

は全射、すなわち全単射である。 よっても逆な線形変換なので、

r a n k A = n
r a n k A = n

ならば、

{ a 1 , , a n } ,

は1次独立なので、

L A : F n F n

は可逆な線形変換である。

よって、 行列Aは可逆である。

以上より、 問題の 1~4 の条件は互いに同値である。

(証明終)