整数 約数と倍数 自然数の基本性質、整列性、数学的帰納法の原理
親切な代数学演習 新装2版―整数・群・環・体 (加藤 明史(著)、現代数学社)の第Ⅰ部(整数)、第1章(約数と倍数)の問20の解答を求めてみる。
と仮定する。
このとき、 このAの補集合はその中で最小元aを持つ。
1の
より、
このとき、
よって、
は自然数であり、また、
なので、仮定より、
はAの元である。
よって、2より
はAの元である。
これは矛盾。
よって、Aの補集合は空集合、すなはらAは自然数全体の集合である。
逆について。
Sを空でない自然数の部分集合とする。
また集合Aを
とおく。
このとき、
また、 あるSの元mが存在して、
よって、
ゆえに、
を満たす自然数aが存在する。
aがS の元ではないと仮定すると、
となり矛盾。
よって、 aはSの元である。
ゆえに、aはSの最小元である。
以上より、 自然数に関する二つの基本性質、自然数の整列性と数学的帰納の原理は同値である。
(証明終)